妊活・不妊治療を専門にする理由|現在の治療方針にたどり着くまで
なかば鍼灸院では、現在、
妊活・不妊治療・不育症
を、特に力を入れて学び、診療している分野の一つとしています。
しかし、開業当初から妊活を専門にしようと決めていたわけではありません。
妊活・不妊治療中の患者様との出会いをきっかけに、病院で行われている検査や治療を学び直し、現在の治療方針へたどり着きました。
このページでは、私が妊活・不妊治療を深く学ぶようになった理由と、現在の施術で大切にしている考え方をお伝えします。
この記事でお伝えすること
- 妊活・不妊治療を深く学ぶようになったきっかけ
- 病院で行われる検査や治療を学ぶ必要があった理由
- 治療段階によって鍼灸の目的を変えている理由
- 病院治療と鍼灸を混同しないという当院の考え方
- 現在の妊活施術で大切にしていること
妊活・不妊治療を専門にするようになったきっかけ
なかば鍼灸院を開業した当初は、肩こり、腰痛、膝の痛みなど、一般的な鍼灸院と同じように、さまざまな症状の患者様を診させていただいていました。
その中で、現在の治療方針につながる大きな転機となったのが、妊活・不妊治療中の患者様との出会いでした。
妊活の患者様からは、病院で受けた検査や治療について、次のようなお話を伺います。
- 卵管造影検査を受けました
- タイミング法を行っています
- 人工授精へ進むことになりました
- 採卵をしました
- 体外受精へ進むことになりました
- 胚移植を予定しています
- ホルモン剤を使用しています
ところが、当時の私は、鍼灸について学んできた知識はあっても、病院で行われている不妊治療の流れを十分に理解できているとはいえませんでした。
患者様が現在どの治療段階にいるのか。
何のために検査を受けているのか。
なぜ、そのお薬を使用しているのか。
それが分からないままでは、その患者様にとって、今どのような身体の状態を目指すべきなのかを考えることができません。
ただ同じように鍼を行うだけでは、妊活中の患者様のお役に立つことはできないと感じました。
病院で行われる不妊治療を一から学び直しました
妊活の患者様を診させていただくためには、鍼灸の知識だけでは足りませんでした。
そこで、病院で行われている不妊治療そのものを、一から学び直すようになりました。
不妊症や不育症の原因、検査、治療方法について知りたい方は、
日本生殖医学会「生殖医療Q&A」
も参考になります。
検査や治療には、それぞれ目的があります
不妊治療では、患者様の年齢、月経周期、卵巣の状態、精子の状態、卵管や子宮の状態、これまでの治療経過などによって、行われる検査や治療が異なります。
また、同じ患者様でも、治療の段階によって目指す状態は変わります。
- 検査を進めている時期
- タイミング法を行っている時期
- 人工授精を予定している時期
- 採卵に向けて準備している時期
- 採卵後に身体を整える時期
- 胚移植に向けて準備している時期
- 胚移植後の判定を待つ時期
- 次の治療へ向けて身体を整える時期
これらをすべて同じ「妊活中」として考えるのではなく、現在の治療段階を確認した上で、鍼灸の目的を考える必要があります。
お薬の名前だけで判断しないことを大切にしています
不妊治療では、排卵を促すためのお薬、ホルモンを補うためのお薬、採卵や胚移植に向けて使用するお薬など、さまざまなお薬が使用されます。
しかし、同じお薬でも、患者様の治療方法や使用する時期によって、目的が異なる場合があります。
そのため、お薬の名前だけを見て判断するのではなく、
現在どの治療を行っていて、何を目的として使用されているのか
を確認することを大切にしています。
治療段階によって、鍼灸を行う目的も変わります
妊活の鍼灸は、毎回同じ施術を繰り返せばよいものではないと考えています。
例えば、採卵に向けて準備している時期と、胚移植を予定している時期では、病院で行われている治療も、患者様の身体の状態も異なります。
月経周期や病院での治療予定だけでなく、その日の体調についても確認します。
- 冷えを強く感じているか
- 睡眠が取れているか
- 疲れがたまっていないか
- 頭痛や肩こりが出ていないか
- 胃腸の調子が落ちていないか
- お薬による体調変化がないか
- 採卵や移植後に痛みや出血などがないか
こうした内容を確認した上で、その日の身体に合わせて施術内容を考えます。
妊娠だけを目標として身体の一部分を見るのではなく、治療を続けていくために、患者様ができるだけ体調を保てるように考えることも大切にしています。
病院での治療と鍼灸を混同しないこと
なかば鍼灸院では、
病院で行うべき検査や治療と、鍼灸がお役に立てる部分を混同しないこと
を大切にしています。
不妊の原因を調べるための検査や、採卵、体外受精、胚移植などは、病院で行われる治療です。
鍼灸だけで病院での検査や治療の代わりができるとは考えていません。
病院での治療を優先すべき時には、その治療を大切にしていただく必要があります。
その上で、患者様の治療段階や体調を確認し、鍼灸でどのような身体のサポートができるのかを考えることが、当院の役割だと考えています。
病院への受診が必要な場合は、受診を優先していただきます
治療中に強い腹痛、出血、急な体調変化などがある場合には、鍼灸だけで対応しようとせず、病院への確認や受診を優先していただくことがあります。
また、検査を受けていない場合や、医師による確認が必要だと考えられる場合には、病院での検査や診察をご案内することがあります。
鍼灸を続けることだけを優先するのではなく、患者様にとって必要な確認を行うことを大切にしています。
妊娠することだけでなく、その後の経過も考えるようになりました
妊活・不妊治療について学び続ける中で、不育症についても学ぶ必要が出てきました。
妊娠することだけでなく、妊娠後の経過について悩まれている患者様もいらっしゃるからです。
不育症では、さまざまな検査や治療が行われます。
すべての方に同じ原因があるわけではなく、検査を行っても原因が明確にならないこともあります。
だからこそ、妊娠したかどうかだけを見るのではなく、これまでの妊娠歴、病院で受けた検査、現在使用しているお薬、医師から説明されている内容なども確認する必要があると考えるようになりました。
この不育症についての学びが、さらに免疫について学ぶきっかけとなり、後に円形脱毛症を深く学ぶことにもつながっていきました。
現在の妊活・不妊治療で大切にしていること
妊活・不妊治療について学び続ける中で、現在の施術では、次のことを大切にするようになりました。
- 現在の治療段階を確認すること
- 病院で受けている検査や治療内容を確認すること
- 使用しているお薬の目的をできる範囲で確認すること
- 月経周期だけでなく、その日の体調も確認すること
- 病院での治療を優先すべき時は、病院の治療を大切にすること
- 必要以上の通院を勧めないこと
- 鍼灸で対応できる範囲と、できない範囲を分けて考えること
妊活中の患者様は、病院への通院、検査、採血、注射、お薬の使用など、多くの予定を抱えていらっしゃいます。
仕事やご家庭の予定と治療を両立しながら、長い期間、気持ちを張り詰めている方も少なくありません。
そのため、鍼灸院への通院が新たな負担にならないよう、病院の予定や患者様の生活に合わせて通院時期を考えることも大切にしています。
同じ妊活中でも、施術内容は一人ひとり異なります
妊活中という点は同じでも、患者様の状況は一人ひとり異なります。
- これから検査を始める方
- タイミング法を行っている方
- 人工授精を行っている方
- 採卵を予定している方
- 胚移植を予定している方
- 妊娠判定を待っている方
- 次の治療へ向けて身体を整えている方
- 不育症の検査や治療を受けている方
年齢、これまでの治療歴、病院での治療方針、体調、生活状況も異なります。
そのため、最初から決められた施術を同じように行うのではなく、現在の状況を伺いながら施術内容を考えています。
「鍼灸だけですべてが解決する」とは考えていません
私は、鍼灸だけですべての妊活・不妊治療のお悩みが解決するとは考えていません。
病院でなければできない検査や治療があります。
医師へ確認しなければ分からないこともあります。
鍼灸師として分からないことを、分かったように説明することも避けなければなりません。
だからこそ、次の役割を分けて考えることを大切にしています。
- 病院で行うこと
- 患者様ご自身で確認していただくこと
- 鍼灸院でお手伝いできること
患者様の状況を確認しながら、現在の治療の妨げにならないように鍼灸を行うことが、なかば鍼灸院の妊活・不妊治療に対する基本的な考え方です。
まとめ|患者様との出会いから現在の妊活施術へ
なかば鍼灸院が妊活・不妊治療を専門分野の一つとするようになった始まりは、一人の患者様との出会いでした。
病院で行われている治療を理解できなければ、その患者様に必要な施術を考えることができないと感じ、不妊治療について一から学び直しました。
その後、タイミング法、人工授精、採卵、体外受精、胚移植、不育症などについて学ぶ中で、治療段階に合わせて身体の状態を考える現在の方針へたどり着きました。
現在も、
病院での検査や治療と、鍼灸がお役に立てる部分を混同しないこと
を大切にしています。
病院での治療を優先しながら、一人ひとりの治療段階や体調に合わせて、鍼灸でどのようなサポートができるのかを考えてまいります。
妊活・不妊治療の鍼灸をご検討の方へ
現在受けている病院の治療内容や、これまでの治療経過を伺いながら、鍼灸でお手伝いできることを一緒に考えます。
初診時には、分かる範囲で構いませんので、現在の治療段階、使用しているお薬、今後の採卵や胚移植などの予定をお聞かせください。


