ちょっと鍼灸のお話 第1弾|鍼灸の日はいつ?8月9日と4月9日を調べてみました


ちょっと鍼灸のお話 第1弾|鍼灸の日はいつ?8月9日と4月9日

8月9日、今日は「はり・きゅう」の日?

昨日は令和8年8月8日。患者様のお会計で領収書の日付を見て、「888だ!」と気づいたところから、末広がりや氏神様のお話までずいぶん楽しんでしまいました(笑)。そして今日は8月9日。
「そういえば今日は、はり・きゅうの日じゃん」と思って、少し調べてみることにしました。公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会では、8月9日を「はりきゅうマッサージの日」として2003年に記念日登録しています。

ここまでは、「そうそう。8月9日は、はり・きゅうの日だよね」と思っていたのですが……。調べていたら、少し気になるものを見つけました。

え?4月9日にも「鍼灸の日」がある?

一般社団法人 日本鍼灸協会のホームページを見ると、4月9日は「鍼灸の日」と書かれています。4(しん)・9(きゅう)で、「しんきゅう」という語呂合わせです。
しかも、この4月9日の「鍼灸の日」が正式に登録されたのは2017年2月1日とのこと。「えー、4月9日も鍼灸の日なの?知らなかった」となりました(笑)。

4月9日=「鍼灸の日」
8月9日=「はりきゅうマッサージの日」
どちらかが間違っているわけではなく、別々の団体による記念日でした。
さらに、一般社団法人 愛知県鍼灸師会のホームページを見ると、「毎月8日・9日は、はり・きゅうの日です」と案内されています。

「えー、団体によって日にちも表現も違うんだ」と、ここからますます気になってきました(笑)。

「鍼灸」は「しんきゅう」?「はりきゅう」?

今度は、そもそもの読み方が気になりました。私自身、普段は「鍼灸」という文字を何気なく使っています。でも、鍼灸=しんきゅう? 鍼灸=はりきゅう? どちらなんだろう、と。
公益社団法人 日本鍼灸師会の「鍼灸の基礎知識」を確認すると、鍼灸は一般に「はり・きゅう」または「しんきゅう」と呼ばれると説明されています。

ということは、どちらか一方だけが正しいというわけでもなさそうです。患者様がインターネットで鍼灸院を探すときにも、「鍼灸」「はりきゅう」「しんきゅう」など、人によって使う言葉が違うのだと思います。

では「鍼」と「針」は、どちらが正しい?

ここまで来たら、もう一つ気になってしまいました。「鍼」と「針」、どちらなんだろう?
鍼灸院という看板をよく見ますが、時々「針灸院」という表記を見かけることもあります。患者様との会話でも、「鍼治療」という方もいれば、「針治療」という方もいらっしゃいます。そこで、今度は漢字そのものを調べてみました。
漢字ペディアで「鍼」を確認すると、医療用のはり、または、はりをさす術という意味があり、「鍼灸(しんきゅう)」という用例も掲載されています。

一方、「針」にも医療用のはりという意味があり、「鍼」が類字として示されています。

さらに「鍼(はり)」の項目には、「針」とも書くと説明されています。

デジタル大辞泉でも「鍼灸」の項目には「鍼灸/針灸」の両方の表記が掲載されています。

鍼灸、針灸、鍼治療、針治療。 調べる前より、さらにいろいろ出てきました(笑)。

では国家資格では「鍼師」?「針師」?

ここまで調べて、「じゃあ国家資格の正式名称はどうなっているんだ?」と気になりました。
厚生労働省の国家試験を確認してみると、「はり師」「きゅう師」となっています。なんと、ここでは漢字の「鍼」でも「針」でもありません。ひらがなの「はり師」「きゅう師」でした。

一般には「鍼灸師」と呼ばれることが多いのですが、国家資格としては「はり師」と「きゅう師」という、それぞれの資格です。鍼灸師をしていながら、普段はあまり意識せず「鍼灸」という言葉を使っていましたが、改めて公式の表記を見ると面白いものです。

そういえば、病院の注射の「はり」はどっち?

「鍼」と「針」の違いを調べていたら、今度は病院で使う「はり」が気になってしまいました。
当院では、妊活・不妊治療中の患者様から、病院で処方されたお薬や自己注射についてお話を伺うことがあります。不妊治療では、ペン型の注入器などを使ってご自身で注射をされている方もいらっしゃいます。
そこで、「そういえば、病院で注射するときの“はり”は、『鍼』と『針』のどっちなんだ?」と、また気になりました(笑)。
厚生労働省やPMDA(医薬品医療機器総合機構)の資料を確認してみると、「注射針」「注射針及び穿刺針」「医薬品・ワクチン注入用針」など、こちらでは「針」の字が使われています。

不妊治療の自己注射では「針」

ペン型注入器に使うものについても、PMDAの資料では「注射針」という表記が使われています。
鍼灸では「鍼」。病院の注射では「針」。国家資格になると「はり師」。
同じ「はり」なのに、使われる場面によって表記が変わってくるんですね。
そして、ここまで調べたら今度は、「鍼灸の鍼と、不妊治療などで使う自己注射の針って、実際どのくらい太さが違うんだろう?」という別の疑問まで出てきました(笑)。これはまた話が長くなりそうなので、鍼灸の鍼と注射針の太さについては、別の記事で実際の規格を調べてみたいと思います。

厚生労働省では「鍼治療」という表現も

さらに、厚生労働省の「統合医療」に係る情報発信等推進事業に基づくeJIMでは、「鍼治療」という表現が使われています。

こうして見てみると、鍼灸、針灸、はりきゅう、しんきゅう、鍼治療、針治療、はり師など、同じ「はり・きゅう」に関係する言葉でも、場面によってさまざまな表現が使われています。

では世界では?WHOでは「acupuncture」

ここまで調べたら、「では世界では、どうなっているんだろう?」と、さらに気になってきました(笑)。
WHO(世界保健機関)では、英語の「acupuncture」という言葉で鍼治療に関する国際的な資料が作られています。WHOは、鍼治療の実践について比較・評価するための参考基準として、「WHO benchmarks for the practice of acupuncture」を公表しています。

これは、WHOがすべての鍼治療の効果を一律に認定している、という意味ではありません。各国で鍼治療の実践を比較・評価する際の参考となるベンチマークです。
WHOでは、鍼治療の教育・訓練についても別に基準資料を公表しています。

また、WHO西太平洋地域事務局では、361の古典的な経穴名について標準化した資料も公表しています。

日本語では「鍼」「針」「はり」「しんきゅう」といろいろありますが、世界では「acupuncture」という言葉で国際的な資料が作られているんですね。

患者様が検索するときの言葉もいろいろ

ここまで調べてみて分かったのは、「鍼灸」という一つの分野でも、読み方や書き方がいろいろあるということでした。
鍼灸院を探す場合にも、「鍼灸」「はりきゅう」「しんきゅう」「針灸」「鍼治療」「針治療」など、人によって思い浮かべる言葉は違うと思います。実際には、そこへご自身が調べたい症状や目的を組み合わせて探されることも多いと思います。
なかば鍼灸院では、一宮市木曽川町で、妊活・不妊治療・不育症、円形脱毛症、耳鳴り・突発性難聴などについて鍼灸施術を行っています。詳しい内容は、それぞれのページにまとめています。

特に妊活・不妊治療中の方は、今回出てきた自己注射など、病院での治療と並行して鍼灸について調べられることもあると思います。「妊活 鍼灸」「不妊治療 鍼灸」など、まずはご自身が分かりやすい言葉で調べていただければ大丈夫です。

8月9日から、ずいぶん遠くまで調べました(笑)

今日は8月9日。「そういえば今日は、はり・きゅうの日じゃん」と思ったところから始まりました。
ところが調べているうちに、4月9日にも「鍼灸の日」がある。「鍼灸」は「しんきゅう」なのか「はりきゅう」なのか。「鍼」と「針」はどう違うのか。国家資格では何と書くのか。病院の注射ではどちらの「はり」を使うのか。厚生労働省ではどう表現しているのか。WHOではどう扱われているのか。
一つ気になると次が気になって、ずいぶん遠くまで来てしまいました(笑)。
普段何気なく使っている「鍼灸」という言葉ですが、改めて調べてみると面白いものですね。昨日は令和8年8月8日の「888」から氏神様や「こもりん」まで。今日は8月9日から「鍼灸」という言葉そのもの、そして病院の「注射針」まで。また一つ勉強になりました。

🍀「ちょっと鍼灸のお話」シリーズ

今回の記事は、「ちょっと鍼灸のお話」第1弾です。
第1弾【今回】 鍼灸の日はいつ?8月9日と4月9日を調べてみました(8月9日公開)
第2弾 鍼灸の鍼はどのくらい細い?0番・3番など鍼の太さを調べてみました(8月11日公開)
第3弾 病院で使う注射針って?採血・点滴・筋肉注射・自己注射を調べてみました(8月12日公開)

今回確認した主な資料・公式情報

今回の記事を書くにあたり、4月9日・8月9日の記念日、「鍼灸」「はりきゅう」「しんきゅう」の表記、「鍼」と「針」の意味、国家資格の正式名称、医療機器としての注射針、WHOでの扱いなどについて、以下の資料を確認しました。

※『広辞苑』については、岩波書店の公式ウェブサイト上では「鍼灸」の項目本文を確認できなかったため、今回の記事では広辞苑の記述を根拠として使用していません。

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